日本人起業家が東南アジアのVCから学んだこと ── シンガポール発のリアルな視点

What Japanese Founders Can Learn from Southeast Asian VCs: A Real-World Look from Singapore

はじめに:

多くの日本人起業家は、日本とはまったく異なる海外のスタートアップ投資環境に驚かされます。先日シンガポールで参加した資金調達特化型アクセラレーターでは、約20社のVCによるリバースピッチセッションに参加しましたが、そこで目にしたのは日本でよく見かける光景とは正反対の風景でした。

女性VCや女性起業家の強い存在感、国籍や本社の場所よりも重視される地域拠点の重要性、そして大胆なグローバルビジョンを掲げるプレ収益段階スタートアップへの寛容さ──違いは明らかです。本記事では、その経験から得た主要な気づきを共有し、東南アジアで資金調達を成功させるために日本人起業家が押さえておくべきポイントと、今こそグローバルマインドセットが不可欠である理由を解説します。


【東南アジアVC事情メモ】

いまシンガポールで参加している資金調達特化型アクセラレーターにて、2〜3日前に約20社のVCによるリバースピッチがありました。

今回は、シリーズA,Bくらいまで投資するVCが来てくれたようです。

良し悪しというより、「こういう世界観なんだな」と感じたことを簡単にシェアします。

● 「東南アジアに住んでるか」が大事

本社がどこか、国籍、チーム人数などより、「実際にこの地域にいるか」が問われます。

私たちはアメリカ本社で、私は創業者で日本人ですが、シンガポールのスタートアップビザと現地法人をもって住んでいます。

● 英語が共通言語、みんなグローバル志向

当然ながら全員英語。Day1から世界を狙ってる起業家しかいない。

● VC自身が元スタートアップ創業者

自ら起業・経営を経験したVCが多く、話が早いし、共感してくれます。

● 女性起業家・女性キャピタリストが多い

VC側も起業家側も、女性が本当に多い。アシスタントじゃなくて、GPやファウンダーとして出てきてるのが印象的でした。

● 地域特化VCが多数

フィリピン、インドネシア、アメリカ、日本、中国、台湾、インド、ヨーロッパ、オーストラリア/NZなど、それぞれの強みを活かしてるVCが多く、起業家も「選ばれるだけでなく選ぶ」姿勢が求められます。

● 超初期でも検討してくれる

Tractionがゼロでも、ARR USD 100Kでも、「成長ストーリーと差別化」があれば投資対象に。条件によってはUncapped SAFEもOK。

●FollowUp投資しますよ!多い印象。

● 今回はFintech色が強め

主催がAspire(Fintech系)なので、Life ScienceやWeb3系はやや少なめでした。

「シンガポール行けば調達できる」という甘い話ではないですが、リアルな肌感として参考になれば幸いです。